音楽座ミュージカル研修見学 – 研修という舞台を観た

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僕は出不精なのだけど、ありがたいことに誘い出してくれる人がいて、そんな中から、とてもいい出会いが起きることがあります。今回は同僚の舘野 泰一さんが「音楽座ミュージカル」の石川 聖子さん、藤田 将範さんに引き合わせてくれて、研修を見学させてもらいました。

行く前は、ミュージカル集団が行う研修っていったいどうなるんだろう?と全く想像つかなかったのですが、周りにはけっこう知っている人がいて、しかも「すごい」と聞いていました。なので興味津々でつくばまで出かけました(横須賀からは遠かった!)。

で、実際に見て。とても得るものが大きかったです。たった4時間のうちに、自分が一回り成長するヒントをもらった気がします。

まず、行われていたのは、150名の先生方(小中高)を対象にしたコミュニケーションの研修…なんですが、僕が観たのは(そして半分くらい参加したのは)、少し大袈裟に言うと受講者を巻き込んだミュージカルでした。「少し大袈裟」というのは、ずっと歌ったり踊ったりしているわけではないということ。でも、魅せられる演技はずっと行われていましたし、頻繁に受講者もそれに巻き込まれていました。

研修の中のアクティビティ、例えば「地域に開いた学校づくりのためのミーティング演習」だと、まず役者さんたちによって「失敗例」がリアルに演じられます。リアルなんですが微妙にコミカルなところが、ありがちな重たさを消しています。そして失敗例を成功例に変えるコツが提示された後で受講者達が「成功例」を作るべく挑戦して行きます。その後ろには緻密なシナリオがありました。

「これは彼らならではで、他には真似できないな」と思ったのは、役者さんたちの力で空気を作って行く部分。なにしろプロの役者さんたちが目の前で演じ、時に歌い、踊って行くので、とにかく引き込まれます。これはとりわけ「重たく」なってしまっている組織や、「閉じて」しまっている人たちには有効だと思います。しかもそれは鮮明なイメージとなって残るので、研修が終わってからも少なくともしばらくは活きていると思います。でもそれは洗脳とかではなく、ストレッチとか開放の感覚でした。個人のよろいをはずして、こりをほぐして、とりわけ人と関わる力を呼び覚ましている感じです。

一方、僕らがやろうとしていることと似ているな、と思ったこともありました。それは、シナリオとか設定づくり。例えば僕らの場合「リーダーシップとは」「論理思考とは」というコンテンツだけでなく、受講生たちが本気で動き出したり考えたりする空気をつくるための仕掛けをかなり作り込みます。割合的にはコンテンツと半々か、時にはそちらの方が大きくなります。かつその空気が研修/授業中だけでなく普段の生活まで保たれるようにしようとします。

音楽座の場合、それが前述の演技と組み合わさって、まさにミュージカルが作られていると感じたわけです。僕らの場合は演技はできないので笑、コンテンツの理解、設計力、言葉の力、そして大学ではSAたちという特殊な位置づけの協力者達の力で総合力を高めています。

最後にもう一つうれしかったのは、「生き様」という言葉が出て来たこと。音楽座の役者達は技術だけでなく生き様を問われると言います。僕らも自分たち自身がリーダーシップを発揮しているか、社会を前に動かすことに挑戦しているかを問われています。研修のフィナーレで、自分たちも歌いながら、役者さんたちがこちらの目をがっちり捉えながら歌う様子を見ていて、「がちでやっている人たちがここにもいる」と、うれしくなりました。いつか彼らと何か「共演」できるといいなあと勝手な妄想^^。

あと、もう一つ。「本当に大切なものは目には見えない」というのは彼らがミュージカルにしている「星の王子様」の中の有名なセリフ。これはその通りだと思いますが、その目に見えないものを見えるようにしよう、少なくとも感じられるようにしよう、としている、音楽座についても自分たちについてもそのように思います。