発想を転換した2016年度BL1スタート

いよいよ今週から、今年度のBL1(論理思考とリーダーシップ)がスタートしました。12クラス360余名の経営学部1年生が、論理思考を使ったリーダーシップの強化に臨みます。
今年は近年では一番教材を改変しない予定なのですが、実は質的には近年で一番変化することになるかもしれません。
論理思考を「教える」というより、自ら学び取っていく「力をつける」授業にしたいと思っています。それを表す今年のキャッチフレーズが「たくましくなるBL1」です。
そんな授業の第1回、まずは「何がうれしくてリーダーシップなんて発揮するの?」(必修だからやってます、じゃリーダーシップっぽくも論理思考っぽくもないよね)と考えました。
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続いて論理思考の話に入るものの、ここでもレクチャーはほとんどなく「とりあえずやってみよう〜!」と演習。ちょこっとだけ整理した後、「じゃあ、これがあったら前期のプロジェクトがどう変わったか考えてみよう」とまたグループワーク。去年までに比べると説明がぐっと少なく、その説明をするのも受講生たちで考えてからにしています。
説明をあえて減らしているのは、「教わって理解するのではなく、少しのヒントから自分で考えてつかんで行ける力をつけよう」「よく分からなくても進んでいける体質になろう」といった意図から。学びのメカニズムをこれまでと違ったものにしようとしています。
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最後の課題はいつもと同じ「クラスの成果を最大化する自己紹介を考えよう」。取り組み方のヒントを出して、本格的には宿題になりました。この週末には、「自分ならではのお持ち寄り」的自己紹介が、各クラスのSNSに上がるはずです。
そして宿題はもう一つ。1学年上のPBL型クラスBL2の決勝進出班の提案内容を分析して、「何が良いのか」をレポートするというもの。これも「論理思考がどう使えそうか」「リーダーシップとどう関係あるのか」自力でちょっとずつつかんで行く」ための材料です。
霧の向こうに新しい世界がある、それを少しずつ自分で晴らしていくような授業にして行きたいと思っているのですが、こちらにとっても少し発想の転換が必要です。我々自身が、たくましくなる必要があります。

リーダーって強い奴しかなれないと思ってない?

立教経営で「リーダーシップ三要素」と言っている中に「同僚支援」というのがあります。同僚がうまく動けるように支援するということですが、その中には、同僚の支援を「求める」のも含まれると最近自分では考えています。

実際、リーダーの中には、頼み上手な人たちがたくさんいます。「おまえに頼まれたら断れない」とか「そういうことなら任せてください」という感じになって、その結果、一人ではとてもできない大きなことを実現します。独力では打開できなかった状況も乗り越えたり。

逆に、プレイヤーとして優れていてもマネジャーになった時に苦戦する人は、自分で全部やろうとしてパンクしたり、うまくできなかったりします。プライドが邪魔をして人に頼めない人も、自分の限界がプロジェクトの限界になってしまいます。

つまり、支援を求められる(助けて!と言える)というのは重要なリーダーシップです。そして強くなくともリーダーシップは発揮出来るしリーダーにもなれる、とも言えます。おもしろいのは、そうやって助けるところがあると、みんながやりがいを感じ、がんばってくれるということです。

「頼む・頼る」ことがリーダーシップと言えるのは、集団のために取り組んでいることについて支援を求める時です。自分のことについて「どうしよう!」と言っていると誰かが助けてくれる、というのは才能/人徳ですが、リーダーシップではありません。でも、その才能を集団のために使えば、かなり強力なリーダーシップを発揮出来るかも知れません。^^

考えずに覚えてはいけない

長男(小3)の勉強を見ていたら、

「1つのもの(こと)の変化を表すときには、上のような(     )で表すとよくわかります。」

という問題が出て来ました。答えは「折れ線グラフ」で、彼は解答例と同じ答えを選んでいました。重要なのは「棒グラフ」ではなくて「折れ線グラフ」だというところのようです。そこで「なんで折れ線グラフだとよくわかるんだろう?」と聞いたら、「タブレット先生がなんだか説明していた気がするけど忘れた」と返ってきました。

うーん…「忘れた」か…自分では考えたのかな? と心の中でうなって、彼に話しました。「そんなことは忘れてしまって全然いいんだよ。というか、覚えようとしちゃいけない。覚えたって意味がない。考えて「そうだな」と思えるかどうかが重要。自分で考えるんだよ。「わかりやすいって、どうしてわかりやすいんだ?」って。

そして、一緒に考えて、「線がつながっているから、上がっているとか下がっているとかいう変化が分かりやすいということかな?」となりました。これは彼と僕で立てた仮説で、覚えた「正解」ではありません。

彼の勉強を僕が見ている意義は、この「なんで?攻撃」を仕掛けることと、考えもせずに「覚える」なんて勉強の仕方を身につけさせないところにありそうです。

目標設定面談はこれだけおいしい

秋から始まるBL1の準備として今、SAたちと目標設定の面談をやっています。1回3、4人ずつを計3、40分で面談するので計3、4時間かかり、しかもこれを5ヶ月間に3回やるのですが、この効果は大きいと思っています。

まずこちらの期待を伝えることによる効果。彼らの目が輝いてくるのが感じられます。やはり人は期待されるとがんばりたくなるのでしょうね。例えば「熱を伝える」のが得意(だが自分ではあまり気がついていない)SAに対して、それをぜひやって欲しい、と伝えました。数人のグループでは十分できている一方、クラス全体を相手にすると最初はかなり緊張してしまいそう。でも、うれしそうに「やってみます!」と言っていました。

二つ目は、彼ら自身が事前に出している志望理由書や目標設定シートで書いていた「目指すこと」「やりたいこと」や「強み」などを反映して行くことによる効果です。例えばあるSAは「受講生全員が質の高い課題を期限内に出す」ことを目標に設定していました。彼女自身がそういう人でその効果を感じているので、みんなにもそうして欲しいと思ったわけです。

これはもちろんやってもらおうと思ったのですが、同時に彼女が志望理由書に書いていた「フィードバックをうまくなりたい」という自分の成長目標も果たして欲しいと思いました。そこで、この二つを同時に達成することを目標にしようと話しました。つまり、自分とは違う相手のことをよく観察して、どうすれば目指す方向に動けるようになるか、つかんだ上で策を取ってみようと。

三つ目は、目標を達成すればSA本人の成長があるように設定することによる効果です。例えば「目立ちたがりだけどそれを押さえてみんなが活躍できる余地を作りたい」としていたSAには「プレイヤーとしてだけでなく仕掛け人として目立つことを目指して行こう」と話しました。周りを活かすリーダーシップですね。これを彼ができるようになったら、さらに大きなことができるようになります。

このような点でうまく行えると目標設定面談は、
・SAたちとの間に信頼関係を築く
・組織のゴールにSAたちの舵をセット、エンジンに点火する
・SAたちの成長につながる
という効果があります。さらに言えば、後で何かうまく行かない時にも、目標設定に立ち戻って話をすると、スムーズにやれます。時間をかけてもやらない手はない、と思います。そしてSAと書いてあるところを部下と置き換えると、これらは企業でも当てはまります。

アクティブラーニングによるアクティブラーニング研修

今日は、淑徳与野中学・高等学校にて、全ての先生方が参加されるアクティブ・ラーニングの研修を実施して来ました。研修というと僕が教えたような印象がありますが、僕が教えるようなことをやっていた時間は10分もありません。しかし、先生方が力を合わせてくださったおかげで、有意義な時間になったと思います。

今回のワークショップの特徴は、まず研修そのものをアクティブ・ラーニング形式で行ったことです。こちらからはあえて「自分から動く、考える、人と関わるという三つを行い、これらの力を伸ばしていればアクティブラーニングです」とだけお話しして、あとは先生方のグループワークで進んで行きました。まずは実践事例を出していただいた上で、アクティブ・ラーニングにどんな効果があるのか、どういう時に有効なのかを考えました。

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続いて、半分のグループは「(現時点で出せる)アクティブ授業10箇条」を作成。例えば「全員がアクティブになれる役割を設定する」といったものが上がって来ました。またもう半分のグループは「授業外にある機会のリスト作り」をしました。こちらは例えば「部活の試合で負けた後の振り返り」といったものが上がっていました。

このようなやり方の背景にあるのは「実は学校のあちこちで既にアクティブ・ラーニングは行われている」という考え方です。実際、とりわけ授業外の活動ではいろいろなアクティブラーニングが行われていることが分かりましたし、授業でも既に実践されている先生もいました。必要なのはそれを共有・統合するとともに、足りない部分を足していくこと、そしてそのプロセス自体をアクティブに行うことだと考えています。

またこれが可能だったのは、10余名の推進委員の先生方が、事前にこれまたアクティブ・ラーニング的に学び、実践され、今日もリーダーシップを発揮されていたからでした。

もちろんこれはスタートに過ぎませんが、先生方の感想「自分一人では思いつかないことが出て来た」「特別ではなく日々の指導の中でやれるのだと分かった」といったことからも、これからが楽しみだと感じています。

冷やし中華作りでアクティブラーニング

今日は昼、妻が出かけていたので、長男(小3)と二人で冷やし中華を作って食べました。せっかく一緒にいるので、頭を使わせてみるか、と思うのは職業病ですね。^^

麺をゆでるお湯を沸かす時に鍋にふたをして「なんで、ふたをするんだと思う?」と、彼に質問。「熱が逃げないから?」と返ってきたのに対して「正解!どうしてそうだといい?」「速くお湯が沸く?」「そうだねー!」

まだまだ続きます。「キュウリを切るのと卵を焼くのとどちらを先にやるといいと思う?」「卵?」「なんで?」「なんとなくそう思ったから」「答えは合っているけど理由もちゃんとあるよ。ヒントは、焼いた卵は熱い!」「さます時間がいるから?」「そう!」

「麺を入れて」「入れたらふたを閉めないんだね」「そうだね」「どうしてだと思う?」「吹きこぼれるから?」「そう!よく知ってるね」「わー、それでも吹いてきた!」「どうすればいいと思う?」「わかんないー! わーこぼれる!」「火を弱くすればいいんだねー」(火を弱めつつ)
といった調子です。

僕は子どもの遊びにつきあわうのはあまり得意ではないんですが、こんな形で接するならできるな、と改めて思いました。^^