「問題意識」の引き出し方

「問題意識を持て」
と言われて「難しいなあ」と困っている人がいたら、
「最近、いらっとしたことない?」
と聞いてみたら良いかもしれません。
 
ちょうど今、論理思考中級のクラスで「自分が問題意識を持っていることを取り上げて語る」という課題をやっています。そこで「難しいなあ」と頭を抱えていたグループに、同僚の舘野 泰一先生が投げかけた言葉がこれ。
 
さっそく次から次へと出て来て、楽しそうに?語り合っていたとか。笑
 
その後のクラスでも今度は全体で取り入れてやってみたところ、「ドタキャン! しかも仲のいいやつが行けなくなったからって理由のやつもいた」とか「まじめな人に仕事がどんどん降ってくること!」とか、どんどん出ていました。これらも十分、問題意識ですよね。
 
「ない」んじゃなくて「出て来ない」だけ、なのに「問題意識がない」とか決めつけないよう注意する必要がありますね。それと、「ちゃんと考えようとすると、かえって頭が止まることもある」ということにも。

BL0ポスターセッション

きのうはBL0(リーダーシップ入門)のポスターセッションでした。経営学部1年生430名全員が90班に分かれて、今年のクライアント(BEAMS様)から出された課題に対するプランをポスタープレゼンします。班の半分のメンバーがプレゼンする中、残りは他の班のプレゼンを見て回り、質問します。切磋琢磨してレベルアップして行くことを狙っているわけです。教員やBEAMSさんの社員の方々、さらには社会人を含む先輩達も見て回っているので、かなりすごい熱気でした。(先輩が加わったのは今年の新たな試みです)
この「舞台に上がる感じ」に受講生たちはみんな「緊張しました!」と言っているのですが、彼らのスイッチを入れる上では、やはり効いていそうです。かつ一度だけのプレゼンだと「緊張してできなかった」となることも多いですが、ポスターだと40分ほどの間に複数回プレゼンできるので、だんだん進歩して行きますね。
あと今年は、ポスター後の懇親会がパワーアップしていました(コースリーダーの舘野泰一さんのリードの元、SACAたちが設計したものと思います)。以前は立食形式で自由に動けるけれども知っている人同士で集まっていることが多い、お疲れさま会的な感じがメインでした。熱心な学生はクライアントのところに改めて話しに行っていましたがそれは少数派でした。
今年は例えばアイスブレークに工夫がされていました。例えば「立教と言えば?」「BEAMSらしさって?」といったお題で思いつくことを紙に書いて、それが似ている人を見つけて集まります。それからしばし雑談。違うクラスの人やBEAMSの人たち、教員と交流する機会になりますし、このお題自体で重要なことを考えたり話す機会にもなります。こんなことを繰り返し、2時間があっという間に過ぎていきました。

イクボス式教育第1回フォーラム

きのうはコヂカラ・ニッポンさんの「イクボス式教育第1回フォーラム」で講演者およびパネリストとして登壇させてもらいました。これからの社会でどういう人が求められているのか、それに対して親はどう子育てをして行くべきかを考えるというもので、とても興味深くかつ今後に示唆のある機会でした。
まず印象的だったのは、青野慶久さん(サイボウズ 代表取締役社長)と高倉千春さん(味の素 人財マネジメント部長)から「ビジネス界で求められる人材」ということで話された内容が、ものすごく重なっていたことです。それは、多様性に対応できることであり、自分の考えを持てることであり、生産的に議論できることでした。
またそれは僕が「立教のリーダーシップ教育で伸ばそうとしていること」として話そうと思っていた内容と非常に重なっていたので、ちょっとびっくりしました。もちろん社会でこれから必要なことを身につけてもらおうとやっているので重なるのは自然なのだけど、そこまで重なるとは正直思っていなかったのでした(その理由は後述)。
さらに実は、コヂカラ・ニッポン代表の川島高之さんが提示された「イクボス式教育の定義と10ヵ条」もすごく重なっていました(写真)。僕の後に話されたコヂカラ・ニッポンの中原久子さん、林田香織さんの活動紹介からも、そういう子育てを地域ぐるみでやろうとしていることがよく伝わって来ました。
それだけ考えていることが重なっているならどんどん進めて行くだけでは?となりそうですが、そこが一筋縄では行かないし、それをどうするのかというのが、第二部のパネルディスカッションのテーマだったのだと思います。モデレータの浜田敬子さん(AERA前編集長)からいきなり投げかけられた「さっきの話は理想だと思いますが、実際にみなさん家庭でもやっておられますか?」という問いはその皮切りだったと思います。家庭だけでなく学校でも会社でも難しい。本当にやっているか?と言われるとまだまだな部分も多いと思います。
例えば「多様性に対応しよう」と言いつつ、自分と違う価値観や行動パターンを受け入れるのは難しいものです。また「考えられるようになって欲しい」「主体的に動けるようになって欲しい」と思いつつ、(良かれと思って)「○○しなさい」と具体的に言いまくって考える余地もヒマもなくしてしまっている恐れもあります。つまり、この方向に向かうには、けっこう本能や感情に逆らうことをやらないとならないわけです。しかも忙しすぎる現代人には「聴く」とか「待つ」とか「共感する」というのは「とてもそんな時間ない」となりがちです。
じゃあ、どうやってこれを乗り越えるのか? 僕自身がその場で得たヒントとしては、「応援する」こと。これは飛び入りでパネリストとして参加された生重幸恵さん(スクール・アドバイス・ネットワーク 理事長)が「学校に行って先生を応援して欲しい」と言われていたことから思ったことです。自分のことばかり考えたりやったりしているんじゃなくて人を応援していると、忙しいはずなのに不思議と気持ちに余裕が出て来て「本当は(自分で)やらなくてもいいことも多いんじゃないかな」と見えてきたりします。「許せないな!」と思うことも「本質を共有できていればいいんじゃないの?」と見えて来たりもします。
あとどなたか言われていた「頼る」こともいいなと改めて思いました。リーダーシップとはよく人を巻き込むことと言われますが「頼ることだ」という見方もできます。それは周りのリーダーシップを引き出すことにもつながるので、命令するとか伝達するとかじゃなく、気持ちを込めて頼る、と。安藤哲也さん(コヂカラ・ニッポン理事)は「楽しむ」をキーワードに「僕は前世がイタリア人なんで…」と会場の笑いを取られていましたが、日本人としては「おかげさまで」をアップグレードして行くのも良いかなと。笑

「ロジシン作戦会議」開催

久しぶりにオープンの論理思考講座を行うことにしました。下記のようなやり方になります。興味のある方はお問い合わせください。(とは言いながら既に満席となっていまして^^; 今後開催の時にお知らせさせていただきたいと思います)

ロジシン作戦会議
(ロジカルシンキングによる課題解決作戦会議)

各自の持ち込み課題について「作戦会議」を行い、同時にロジカルシンキング(論理思考)を学びます。それぞれの課題を扱う時間は20分前後しかありませんが、「どのように考えるか」をつかんで、後は自分で考えられることを目指します。なお僕自身は、情報から考えられる限りの具体的な解決策まで考えて行きます。

日時:3月9日(木)、3月22日(水)
いずれも19時〜21時半(単発参加可能)

場所:3月9日は新宿になりました。3月22日は新宿か五反田を予定しています。

参加費:1万円/回(+消費税)

参加資格:
・持ち込み課題を持っていること
・他の人の課題解決にも参画する気持ちを持っていること
・お互いの持ち込み課題内容について守秘義務を厳守できること

人数:5名〜8名

失敗から学べるには成功体験が必要

Facebookで前ポストの内容を書いていたら、「教育で必要なのは失敗から学ぶマインドを身につけさせること」とコメントしてくださった方がいました。

このコメントはその通りだと思います。しかし、これが教育提供者側の「だから失敗しても仕方がない」という言い訳とか、単に難しいことを浴びせかけて教育している気になってしまうのはまずいと考えています。その理由は次の二つです。

まず、失敗し続けると人は挑戦しなくなります。それは最悪の教育です。二つ目に、試行錯誤(=失敗から学ぶこと)の後に成功してこそ、次も「失敗から学ぼう」と思うようになります。つまり「失敗から学ぶマインド」が身につきます。

つまり、教育でこそ「必ず成功させる」ことが大事になると思うのです。

挑戦し続ける教育のために必要なこと

昨日、「困難にぶつかって、逃げなかった人たちは、明らかに成長している」と書きました。これはとても強く思うことで、かつ大事なことだと思いますが、これだけだと当たり前のことを言っているだけとも言えます(そりゃ、大変なことに挑み続ければ力は伸びるだろ^^;)。

こと教育の中でこれを考える場合、なかなか難しい二つのタスクを考える必要があります。なお「考える」の主語は、教員や親、そしてマネジャーにもある程度あてはまります。その内容は、

  1. 困難に挑戦するように仕向けること
  2. がんばった人はある程度「自力で」「成功」するように、サポートすること

です。どちらも簡単ではありません。

1について起きがちなのは、相手が挑戦など全く拒否するとか、適当に流してしまうことです。本人は適当なつもりはなくとも「形だけ」になってしまうことは珍しくありません。例えば校内マラソン大会とか、夏休みの自由研究とか。受験勉強ですら「真剣さが足りない!」と思う親や先生は多いのではないでしょうか。

そこで真剣に、思い切り取り組んでしまうような「演出」が必要になります。僕らがこの1月に大学の授業でやっていた「高校生に教える」のはその一つでした。

2について起きがちなのは、挑戦はしたが難しすぎて(サポートが足りなくて)失敗してしまうことです。「乗り越えたやつだけ残ればいい」というのは教育としてはイマイチです。「試行錯誤した上で最後はなんらかの成功をする」ように持って行くべきだと僕は考えています。

一方、サポートし過ぎて「自力で」にならないことも問題です。親が夏休みの自由研究を全部やっちゃったみたいな感じです。それだと昨日書いたようなことは得られません。放置でも過干渉でもない、ちょうど良いところになるようサポートするのが、難しいけれども理想です。今期の「論理思考とリーダーシップ(BL1)」は、それがこれまで以上にできたように、自分では感じていてうれしく思っています。

困難にぶつかって逃げなかった人たちは明らかに成長している

「困難にぶつかって、逃げなかった人たちは、明らかに成長している」

今学期の最終評価をしているところで、受講生の提出課題(今学期振り返り)を見ていて感じることです。

僕が担当しているクラスでは、毎週のように提出物があります。また授業中も受講生が発言している時間がけっこうあるので、見ていて「壁にぶつかっているな」と個人でもチームでも分かります。

その時、適当に流したり、人任せにしたりせず、試行錯誤して行った人たちは、やはりはっきり成長しています。

それが見えるのは一つに、本質に近づいていること。自分の本当の強みは何なのかとか、チームが前進する上で何が大事なのかとか、キャリアビジョンって何なのか、とか。答えにはたどり着いていなくとも、確実に前進していることが、考えている内容から見て取れます。

二つ目に、困難にぶつかってもめげない、たくましさというか、腹の据わった感じ、ある意味での開き直りを身につけています。それはかっこいい感じばかりとは限りません。むしろ「格好悪くてもなりふり構わず行ける」と言った方がよいかもしれません。そして、それが実は格好悪くないのです。

最後に、これはけっこう大きいと思うのが、この人達は困難にぶつかっている人の気持ちが分かるようになったということです。「自分もそうだったよ」と話せるようになった、ということです。

音楽座ミュージカル研修見学 – 研修という舞台を観た

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僕は出不精なのだけど、ありがたいことに誘い出してくれる人がいて、そんな中から、とてもいい出会いが起きることがあります。今回は同僚の舘野 泰一さんが「音楽座ミュージカル」の石川 聖子さん、藤田 将範さんに引き合わせてくれて、研修を見学させてもらいました。

行く前は、ミュージカル集団が行う研修っていったいどうなるんだろう?と全く想像つかなかったのですが、周りにはけっこう知っている人がいて、しかも「すごい」と聞いていました。なので興味津々でつくばまで出かけました(横須賀からは遠かった!)。

で、実際に見て。とても得るものが大きかったです。たった4時間のうちに、自分が一回り成長するヒントをもらった気がします。

まず、行われていたのは、150名の先生方(小中高)を対象にしたコミュニケーションの研修…なんですが、僕が観たのは(そして半分くらい参加したのは)、少し大袈裟に言うと受講者を巻き込んだミュージカルでした。「少し大袈裟」というのは、ずっと歌ったり踊ったりしているわけではないということ。でも、魅せられる演技はずっと行われていましたし、頻繁に受講者もそれに巻き込まれていました。

研修の中のアクティビティ、例えば「地域に開いた学校づくりのためのミーティング演習」だと、まず役者さんたちによって「失敗例」がリアルに演じられます。リアルなんですが微妙にコミカルなところが、ありがちな重たさを消しています。そして失敗例を成功例に変えるコツが提示された後で受講者達が「成功例」を作るべく挑戦して行きます。その後ろには緻密なシナリオがありました。

「これは彼らならではで、他には真似できないな」と思ったのは、役者さんたちの力で空気を作って行く部分。なにしろプロの役者さんたちが目の前で演じ、時に歌い、踊って行くので、とにかく引き込まれます。これはとりわけ「重たく」なってしまっている組織や、「閉じて」しまっている人たちには有効だと思います。しかもそれは鮮明なイメージとなって残るので、研修が終わってからも少なくともしばらくは活きていると思います。でもそれは洗脳とかではなく、ストレッチとか開放の感覚でした。個人のよろいをはずして、こりをほぐして、とりわけ人と関わる力を呼び覚ましている感じです。

一方、僕らがやろうとしていることと似ているな、と思ったこともありました。それは、シナリオとか設定づくり。例えば僕らの場合「リーダーシップとは」「論理思考とは」というコンテンツだけでなく、受講生たちが本気で動き出したり考えたりする空気をつくるための仕掛けをかなり作り込みます。割合的にはコンテンツと半々か、時にはそちらの方が大きくなります。かつその空気が研修/授業中だけでなく普段の生活まで保たれるようにしようとします。

音楽座の場合、それが前述の演技と組み合わさって、まさにミュージカルが作られていると感じたわけです。僕らの場合は演技はできないので笑、コンテンツの理解、設計力、言葉の力、そして大学ではSAたちという特殊な位置づけの協力者達の力で総合力を高めています。

最後にもう一つうれしかったのは、「生き様」という言葉が出て来たこと。音楽座の役者達は技術だけでなく生き様を問われると言います。僕らも自分たち自身がリーダーシップを発揮しているか、社会を前に動かすことに挑戦しているかを問われています。研修のフィナーレで、自分たちも歌いながら、役者さんたちがこちらの目をがっちり捉えながら歌う様子を見ていて、「がちでやっている人たちがここにもいる」と、うれしくなりました。いつか彼らと何か「共演」できるといいなあと勝手な妄想^^。

あと、もう一つ。「本当に大切なものは目には見えない」というのは彼らがミュージカルにしている「星の王子様」の中の有名なセリフ。これはその通りだと思いますが、その目に見えないものを見えるようにしよう、少なくとも感じられるようにしよう、としている、音楽座についても自分たちについてもそのように思います。

桐蔭学園アクティブラーニング公開研究会2016(その1)

ばたばたしていて、ちょっと間が空きました。

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先日行ってきた、桐蔭学園でのアクティブラーニング公開研究会2016について書きたいと思います。なかなか収穫の多いイベントでした。

まずは公開授業。2つの授業を見学しましたが、そのうちの1つ(中一国語)は特に興味深いものでした。テーマは「メディアの表現を分析し考察する」となっていましたが、実際には自分たちで「広告」を作るという実践まで含まれていました。

授業が始まるとまず写真のようなスライドを見せて、学園祭の模擬店広告として何が問題かをグループで考えさせていました。

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各グループは非常に短い時間の中で
・何が問題なのか
・どう変えれば良いのか
を考え、まとめて行きます。ディスカッションはとても活発です。

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まずこれは、題材がとても良いと思います。生徒達にはとても身近なテーマで、かつ、突っ込みどころ満載。しかし「人に動いてもらうにはどんな情報が必要か?」を自分たちで考えることがちゃんとできます。

時間になると数グループがプレゼン。慣れているからか堂々としています。ただ読み上げているだけでなく説明もできていて、中一とは思えないレベル。

そして確かにこういった要素が必要だよね、と先生がまとめたあと、宿題が出ました。これを実際のポスターに仕上げて来るようにというもの。「写真が欲しい」と書いていたわけだから実際に入れるとか、必要な情報を分かりやすく表示するとか、具体的にやってくるわけです。なお生徒達は全員がiPadを持っていて、グループで作ったものも写真もさっそくそれで撮っています。宿題の提出もデジタル。

この、何を授業内でやり、何を宿題にするかというのもとても良い組みあわせになっていたと思います。もしこのグループワークなしにいきなり宿題だったら、クラス内のレベル差が大きく出たのではないかと思います。でも「何を入れるべきか」までは出ているので、あとは具体的に考えるだけ。かつ楽しい^^。しかし作る中でやはりいろいろ考えることになるでしょう。どの情報をどこにどんな大きさで入れると良いか、とか。

この後、授業は、ある企業のCMについてまたグループで分析をしていました。一見、コミカルに企業名とキーメッセージを連呼しているだけに見えるCMなのですが、生徒達は適切な分析をしています。これには、先ほどのワークと、先生の質問が、ちょうどよい踏み台になっているようです。

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…というように授業が展開されて行きました。とても良いと思ったのは、「考える」「自分から動く」「人と関わる」という要素がぎっしり入っていたことでした。たとえば全員がしっかり考えられるように、まず各人で考えたことをシートに書き出してから、グループワークが行われていました。グループワークは役割を自分たちで決めて運営されていますし、発表もプレゼンに慣れて行くにはちょうどよいくらいの量です。

そして、それを支えているのが「興味を持て、かつ実践可能な題材」でしょう。BL1の教材もそういうものを基本使っています。そうなっていた方が断然真剣になれます。つまり、
・興味を持て、かつ実践可能な題材
・的確に設定された各ステップ
・考える、関わる、自分から動くための仕組み
がやはり重要だなと改めて思いました。これらにより、考える力をはじめとする基盤的能力がどんどん高まりそうです。

では、国語の学習としてはどうかというと、上記のようにアクティブに学ぶ結果、日本語についての感度は上がって行きそうです。また日本語を論理的に使いこなすという意味でも、レベルアップするでしょう。一方、この内容そのものでは、難しい表現を覚えたりはしないかもしれません。しかし表現することや見ることに関心さえあれば、教室の外の日常で学んで行くことができます。そのための力をつけることが教室の役割だとすると、これで良いのだと思います。

学んだことをすぐ使えるようにするには

論理思考のようなツールの場合、いろいろ汎用的に使える分、逆に活用の場所を見つけるのが難しかったりします。その結果、それこそ考える力がある人とそうでない人で、活用度合いが大きく違ってしまいます。

これは論理思考に限った話ではなく、いろいろな可能性を持ったものについては広くあてはまることです。初期の頃のパソコンやインターネットにもそういうことがありました(今も?)。

そこで、学ぶ時や振り返りの時にちょっと工夫をすることで、考える力を高めつつ、学んだことの活用度を上げることができます。それは次の3つのことを整理しながら学んで行くことです。

1.これはどんな時に使えるか?
2.それでどんなプラスが生まれるのか?
3.具体的な使い方(手順&コツ)は?

例えば、メカニズム思考でよく使う「やれる・やりたい・やらざるをえない」というのがあります。この3つがそろった時に人はそのことをやる可能性がかなり高くなる、つまり「人が動くメカニズム」というわけです。なお授業でよくやるのは「ダイエット」を例に考えながら最終的に「人が何かをやる/続けるメカニズムを考えてみよう」とワークをしてもらい、自ら考えてもらった後で、これを見せるというやり方です。

そうやってこのメカニズムを知ったとして、より使えるようにするために、上の3つを考えるわけです。

1.これはどんな時に使えるのか?
薬がどんな症状に効くのか、というのと似ていますね。具体的に考えると、ダイエットはもちろん、早起き、ジョギング、読書、掃除片付け等々いろいろ使えそうですが、「要はどういう時?」と出しておいた方が、応用が効きます。すると共通するのは「やろうと思っていてもやれない、続けられないことをやれるようにしたい時」でしょう。

2.それでどんなプラスが生まれるのか?
まずは、精神論でいくらがんばってもやれなかったことが、あまり無理をせずにやれるようになる、というのがあります。これは自己嫌悪に陥るのを防いだり自尊心を回復する効果もあります笑。また、無駄な努力をせずに済むという効用もあります。とりわけ他人に何かをやらせようという時、この効用は大きいです。例えば子ども相手にただ「さっさとやりなさい!」と言っていてもなかなかやらないので、言っている方が疲れてしまいますが、「やれる」「やりたい」を高めることでそういう徒労感を感じることが減ります。
ところで、この「どんなプラスが?」ということを知っているメリットはなんでしょうか? それは二つあります。一つは「がんばって使いこなそう」と思えること。もう一つは間違ったやり方をしている時に気がつきやすくなります。ちゃんとやっているつもりでもこのメリットが得られていなければやり方を間違っていると分かるということです。

3.具体的な使い方(手順&コツ)は?
では、具体的にどうやるのか? 詳しい手順はここでは省きますが、やっていることの意味を理解していないとうまく行きません。そこで、自分なりのコツを出しておくことが、理解を深めるためにも、実際にうまくやるためにも効いてきます。例えば僕の場合、「やりたい」の中の「楽しくする」ことがポイントなので、自分がどうなると楽しくなるのかを日頃から探っています。そしてそういう要素を組み込んで行きます。例えば僕の英語力キープのためのメイン手段は、英語の推理小説の朗読を聞くことです。考える、スリルがある、ヒューマンドラマもある、そして聞いた方が本を読むより臨場感があって楽しい、といったことで、楽しく続いています。

そんな感じで、一つのことを学んだ時に、
1.これはどんな時に使えるか?
2.それでどんなプラスが生まれるのか?
3.具体的な使い方(手順&コツ)は?
をつかむ(つかみきれなければ質問しに行く)ようにすると、学んだことを活用できる度合いが上がります。

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